No.2【怪談】はじめての友達【実体験】
【怪談】はじめての友達
この話は今から20年くらいの前のお話でかなり短いお話です。
当時、私は3歳くらいで私に残っている幼いころの記憶で恐らく一番古い記憶です。
私の実家にはリビングと襖一枚で区切られていて、仏壇や小さい仏像が置いてある和室があり、その和室の隅には仏壇などの他にも曾祖母(ひいおばあちゃん)の形見の日本人形二体がガラスケースに入れてありました。
当時、毎日母と一緒に仏壇の前で手を合わせてから布団に入るという習慣があり、正確にはわかりませんがその頃の感覚としては、母は二分くらい手を合わせ、私はその頃、仏壇の前で手を合わせる意味がわからず母の真似をしているだけだったためほんの数秒で終わってしまっていました。
自分が手を合わせ終わった後、母が終わるのを待っているわけですが、その待ち時間をよく日本人形と遊んで過していて、その遊びというのが。。。
私のことを日本人形が引っ張り、それに負けないよう逃げようとするというものでした。。。
何を言っているのかわからないと思いますが、日本人形と見えない綱で綱引きをしているみたいな感じです。
遊んでいる最中はなぜか声が出せず、母も気づく様子はないんですよね。
しばらく日本人形と遊んでいましたが、4歳くらいから日本人形と遊ぶこともなくなり、気付くと引っ張られたりすることもなくなっていました。
日本人形との遊びで一度も負けたことはないですが、もし負けてそのまま引っ張られていたらどうなっていたんですかね。。。
当時は、遊んでいると思っているくらいですから怖いなんて感情は全くなく、小学校3年生くらいまでむしろ普通のことだと思っていました。。。
今思えば、曾祖母が遊んでくれていたのかなあとも思いますが、私にとって生まれて初めてできた友達は日本人形でした。